まず、世界中にゴマンとある面白いウェッブサイトの中から『阿佐部伸一(あさべしんいち)東南アジアの人々』を開いて下さり、誠に有り難うございます。

 このサイトに載せているテーマでは暮らせていないのですが、いちおう日本のマスコミでメシを喰っています。ですから、「読んでもらえるもの」や「見てもらえるもの」、あるいは「プロデューサーやスポンサーが容認するもの」を作るのが、どれだけ難しいか身にしみて分かります。それ故、貴方が当サイトをご覧になって下さっていることを非常に嬉しく、有り難く思います。
 長い記事も入っていますので、ご興味のある記事はどうぞダウンロードされ、ゆっくりお読みください。

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 ベトナム出張を前に、電気工事の作業員をやっている元難民が、五万円もカンパしてくれたことがあった。私の取材がいつも経費すらペイしていないことを知っていてである。何のために南北問題をテーマに取材を続けているのかわからなくなるので、丁重に返そうかとも思った。だが、彼の心意気を無下にしても悪い。結局、ホーチミン市の市場で靴屋をしていた彼の妹を捜し出し、「お兄さんから」と同額の米ドルを手渡しておいた。
 ペンにスチルカメラ、ビデオカメラと、千手観音になりたいくらい忙しい目をして、新聞と雑誌、テレビそれぞれに売れた時で、やっと経費がトントン、自分の日当までは出ない。余程タイムリーなテーマでないと、そんなには売れず、赤字もしばしばだ。
 当サイトに掲載している原稿や写真、映像も、そうした制約から突っ込みたいところまで突っ込めず、不満足な点も多々ある。しかし、幸運なことに、元ベトナム難民の彼や、英語ページの翻訳を手伝ってくれる日本人女性をふくめ、私の取材趣旨に賛同し、儲け度外視で力を貸してくれる友人が各国各地にいる。彼らのお陰で、かなりの問題を克服できていると思う。
 今日、仕事や観光で東南アジアへ出かける人が増えているが、その土地に友達がいるかいないかで、見えてくるものがかなり違ってこよう。『東南アジアの人々』で友人知人を共有し、彼らの暮らしや思いをより間近に感じて頂ければ、この上もない幸せである。